白アリがやって来ます。

2024年4月30日

4月を過ぎると「白アリ消毒」のチラシをよく目にすると思います。実はこの時期に白アリが床下などの暗い闇の世界から外の明るい所に出てくる第1回の季節なんですね。(2回目は秋になります)普段は地中や木材の中で生息している彼らですが、一部のアリが羽化(羽が生えてくる)して新天地を求めて古巣を後に旅立つ訳です。

5年ほど前に増築RFをしたオーナー様から、先週(GW前の)、家の屋根裏に羽アリさんが発生したとのことで、伺ってみました。

 

黒い点々は…何?!
突然のことで、オーナー様もビックリ!

まずは、どこからやって来たのか調査することになり、和田さん&棟梁ペアが早速調査に向かいました。
どうやら母屋の洗面所近くの床下から、壁伝いに屋根裏へと上がった様子。

↑↑ありました!蟻道(ぎどう)発見👀

羽アリが家の中に大量に発生して窓の木枠や浴室の一角、玄関土間の木枠の下等にいた場合はもう既においしい所を食べつくしていて、発生場所の周辺を開けてみると「ゲっ!こんなに食べられちゃったの」という状態の事が殆どです。

-ジメジメとして柔らかい木材が好き  (ちょっと読み物)-

築30~40年のタイル張りの浴室は地震や施工不良による漏水から浴室入口~脱衣室の土台~柱の根元、浴室窓周囲の木下地等は殆ど白アリの食害に侵されています。彼らが好む環境は「暗くて暖かい」「ジメジメ」「柔らかい木材」です。もし羽アリが確認されたなら、どこから来ているかを見つけます。そして食われている部分は全て解体撤去、残存兵の白アリも全て清掃除去し、侵入経路を含めて薬剤処理を行います。恐らく被害を受けた場所の周辺は何らかの原因で湿り気があると思われますので、その原因を改善し防湿シート等の湿気対策を行います。

食害を受けた土台や柱はヒバ・桧などの樹種を使うようにします。これらの木はヒノキチオールと呼ばれる成分を多く含んでいて、この成分を白アリは嫌います。薬剤を浸込ませた「薬液注入土台」という材料もありますが、防虫成分となる薬剤の効果は5~7年で落ちてしまうのと薬が浸込みやすい柔らかい樹種なので、弊社では使っていません。敏感な方はこの薬剤の揮発成分を嗅ぐことで体調不良となる場合もありますから使用の際は注意が必要です。

また、建物の基礎・外壁の周囲はなるべく風通りが良い様に片づけておく事も重要です。以前あった実例では北側の建物のすぐ脇に積んだ段ボールを伝って基礎~土台へと入り込んだケースや、古タイヤを積んでおいたらその陰に蟻道を作って土台へとたどり着いているケースもあります。

薬剤処理まで完了しましたら、開けたところを塞いでいきます。

外で、棟梁が材木をカット。中で和田さんが施工。

棟梁も一緒に作業しています。
息もピッタリで作業もスムーズですね♪

翌日には福ちゃんが、無垢材の壁にクリアー塗装をして仕上がりです。

皆さんのお家は大丈夫でしょうか?
床がブカブカしたり、基礎の表面に蟻道が出来ていたり、タイルや内壁、外壁にヒビが入っていたりするところはありませんか?そういったところは要checkですよ!

シロアリさんの生態はまだわからないところもあります。
ですが、人間の身体同様に「予防」が大切。まずはシロアリを寄せ付けないようにしましょう!家周辺に木の杭や木の垣根、木片などがあると、ここからシロアリが繁殖する場合がありますので、木片を放置したり、埋め込んだりすることはやめた方が良いかもしれません。また、床下は風通しをよくするため、換気口の前に植木鉢などを置かないようにしましょう。

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