2020年6月16日
誰もがそう思うはずです。暖房器具にしても同じで、できるだけ費用をかけずに暖まるにはどうしたらいいだろうかと考えるわけです。
ハイブリッドソーラーシステムの考案者である岡本康男さんも自著『体にいちばん快適な家づくり』(講談社+α新書)のなかで、「太陽熱や自然エネルギー利用の手法で思いついたことを片っ端から織り込んで、1989年に実験住宅として自分の家を建てたとき、これでどれだけ燃料費が削減できるだろうかという点がいちばん大事だと考えていました。」と書いております。必要なところに必要なだけ熱を加えて、しかも自然のエネルギーが利用できればなおさらに省エネだと今でも誰もが考えていると思います。ところが、岡本さんが試した手法のなかの一つが予想を裏切った効果を上げることになりました。
昼間の太陽の熱を夜までとっておいて居間や台所などを温めようという岡本さんの目論見はうまくいきましたが、驚いたことに吹抜けを介して2階の寝室や脱衣所やお風呂までが暖かくなっていたのです。24時間全館暖房が思いがけずに実現し、太陽熱を利用することでランニングコストも少なくて済むことがわかりました。さらに太陽熱でお風呂や台所・洗面などのお湯もつくります。
このシステムは断熱・気密の性能が良くなると効果が倍増します。7月に予定している「仕組みがわかる構造見学」に参加してみてください。
《back number》
■vol.1:エコロジーとエコノミー
■vol.2:ソレイユのような温かい家にしよう
■vol.3:床暖房リフォームは大変?
■vol.4:床暖房に無垢床材は大丈夫なのか?
■vol.5:高性能住宅に、なぜ補助金?その1
■vol.6:高性能住宅に、なぜ補助金?その2
■vol.7:高性能住宅は高くない
■vol.8:断熱性能はどこまで上げればいいのでしょうか?
■vol.9:システムキッチンと台所の断熱改修・ハウマッチ?
■vol.10:夏の住み心地を検証してみましょう
■vol.11:住まいの快適さをデータで実証
■vol.12:断熱性能を表すQ値とUA値
■vol.13:国が大きな補助金を出してまで断熱にこだわる訳
■vol.14:太陽熱で全館暖房という選択