会長の「ちょいと聞いてよ!vol.18」~ハイブリッドソーラー蓄熱の不思議~

2020年6月30日

昼間の太陽の熱で不凍液を温め(真冬でも50℃位になる)床下コンクリート内の樹脂パイプの中を循環させてコンクリートを暖めておきます。晴れの日は朝から熱を蓄え始め、午後2時ころにコンクリート内は約38℃にまであがります。

もちろん室内にも熱を放出しながらです。床の表面温度は25~28℃位で1階の室温は22~25℃位になります。吹抜けがあると2階の室温は24~28℃になり、吹抜けがないと2階室温は20~25℃くらいです。午後3時ごろにコンクリートの蓄熱温度が38℃の日は、その後放熱を始めます。2時間で1℃くらいの放熱を夜間から明け方、陽が昇るまでつづけます。朝6時ころには蓄熱温度は28~30℃、床表面温度が20~23℃、室温18~20℃位になります。2階は約2℃低いくらいです。このシステムにはON-OFFがありません。蓄熱コンクリートの温度設定の操作があるだけです。蓄熱温度と床表面温度の差は約8℃~10℃です。1階室温は床表面温度より2℃低いくらいです。(足元ホッコリ、頭スッキリ)

蓄熱温度が38℃で外気温度が8℃だとするとその差は30℃もありますが、この時の室温は26℃位で、外気温との差は18℃位になります。外気温と室温の差が大きくなるほど放熱量が増えるのですが、断熱性能が良くなるほど外へ流れる熱が減りますから放熱量は少なくなります。滝の落差が大きいほど水の勢いが強いように、蓄熱と外気温の差が大きいほど放熱が大きくなります。

《back number》
■vol.1:エコロジーとエコノミー
■vol.2:ソレイユのような温かい家にしよう
■vol.3:床暖房リフォームは大変?
■vol.4:床暖房に無垢床材は大丈夫なのか?
■vol.5:高性能住宅に、なぜ補助金?その1
■vol.6:高性能住宅に、なぜ補助金?その2
■vol.7:高性能住宅は高くない
■vol.8:断熱性能はどこまで上げればいいのでしょうか?
■vol.9:システムキッチンと台所の断熱改修・ハウマッチ?
■vol.10:夏の住み心地を検証してみましょう
■vol.11:住まいの快適さをデータで実証
■vol.12:断熱性能を表すQ値とUA値
■vol.13:国が大きな補助金を出してまで断熱にこだわる訳
■vol.14:太陽熱で全館暖房という選択
■vol.15:快適な家を安く手に入れたい
■vol.16:住みながらの断熱リフォーム
■vol.17:命をつなぐサバイバル住居とは

このページの先頭へ戻る